
経営統合ではなく、
共に未来をつくるパートナーへ
PMI職人が向き合う
最高の未来のつくり方
今江 吉宏
経営企画部 PMI Senior Director
兼株式会社松村商店 取締役
兼株式会社かならぼ 取締役
経営統合ではなく、
共に未来をつくるパートナーへ
PMI職人が向き合う
最高の未来のつくり方
今江 吉宏
経営企画部 PMI Senior Director
兼株式会社松村商店 取締役
兼株式会社かならぼ 取締役
Profile
IPOを財務経理部門で2度経験。複数の上場企業で数多くのPMIに従事。
「MUSCAT GROUPでは、若いメンバーが活躍している」。そんなイメージをお持ちの方が多いのではないだろうか。もちろん、そのイメージは間違っていない。しかし、MUSCAT GROUPを牽引するのは、若い力だけではない。
今回インタビューをしたのは、経営企画部に所属する今江吉宏。西武鉄道グループにおける経理業務からキャリアをスタートさせた今江は、後にさまざまなM&AとPMI(Post Merger Integration:M&A後の統合プロセス)を経験した。
そして2024年3月、55歳の今江が新たな挑戦の場として選んだのが、MUSCAT GROUPだ。「Difference for the Future」というミッションのもと、ニッチトップ戦略を打ち出し、積極的なM&Aを推進するMUSCAT GROUPにおいて、「すべての関係者にとっての最高の未来」をつくるべく、PMIの最前線に立ち続けている。
そんな今江は、なぜMUSCAT GROUPにジョインし、どのような思いでPMIを推し進めているのだろうか。豊富な経験を持つ「PMI職人」のキャリアと思いに迫った。
波乱万丈のキャリアの先にあった「天職」
今江さんは、これまでたくさんのM&Aに伴うPMIを経験されてきたと伺っています。
M&Aの経験について言えば「する側」と「される側」を併せると……10回ほど経験していますね。
それはすごい……。どのようなキャリアを歩んで来られたのでしょうか。
私のキャリアの原点は、堤義明さん(西武鉄道グループの元オーナー)に憧れて入社した西武鉄道グループです。入社後、「経営者の近くで働きたい」と希望したところ、経理に配属されました。しかし、組織が大きすぎたため、本当に経営者の近くで働くにはかなりの時間がかかってしまうことがわかったんです。
そこで、200名ほどの規模の広告制作会社に転職し、その会社でも経理を担当していたのですが、この転職を機にさまざまなことを経験しました。まず、2005年に会社がライブドアグループに買収されることになり、初めて「される側」でPMIを経験しました。
その後、会社が東証1部に上場していた不動産会社に売却され、またPMIを担当することに。さらにその不動産会社がリーマンショックで倒産してしまい、私が所属していた会社はファンドに買われるという経験もしました。それらの経験を経て、「今度は自分の手でIPOを成し遂げたい」という思いが芽生えたんです。そこで、IPOを目指す広告会社に転職し、無事IPOを成し遂げた後、経営管理部の次長、そして部長を合計6年ほど務めました。

その後、どのような経緯でMUSCAT GROUPに入社することになるのでしょうか。
IPOを経て、上場企業の経営管理部長として経験を重ねる中で、自分の経験を活かして「若く優秀な経営者を支えたい」という思いが強くなりました。そんな思いから、改めてスタートアップの世界に飛び込むことに。いくつかのスタートアップを経験し、ある企業でM&Aでのエグジットを達成したとき、「さて、これからどうしよう」と。そんなときに出会ったのが、MUSCAT GROUP(当時の社名はライスカレー)でした。
そして、面接の場で大南さん(MUSCAT GROUP 取締役/株式会社松村商店 代表取締役 大南 洋右)と大久保さん(MUSCAT GROUP代表取締役 大久保 遼)と話し、お二人が語るビジョンに心からワクワクしたことが、入社の決め手になりました。
これまでのキャリアの中で、私には壮大なビジョンを描き、そのビジョンを達成するための戦略をつくる力は無いと実感していました。ただ、そういった力を持った優秀な経営者に求められた役割を全うし、サポートをすることはできる。大南さんや大久保さんが描くストーリーのなかで、求められる役柄を演じたいと思い、入社を決めました。
現場の最前線で築く「信頼」こそがPMIの要
入社後は、どのような業務を担当してきたのでしょうか。
まずは、財務経理部長としての業務からスタートしました。その後、2024年10月にキッズ・ティーン向けの財布やバッグの製造・販売、卸事業を手掛ける松村商店をM&Aしたことを機に、役割が変わることに。具体的に言うと、松村商店に取締役としてジョインし、「守りのPMI」を担当することになりました。
「守りのPMI」?
はい。M&Aが完了したのち、グループインした企業——この場合は、松村商店ですね——の管理体制を整える必要があります。上場企業のグループ会社になるわけですから、さまざまな情報を正確に開示できる体制を整えなければなりません。他にも、内部統制を強化することなども「守りのPMI」に含まれますが、一言で言ってしまえば「事業を円滑に引き継ぐための基盤を整える」ということになります。
私は入社当初から、PMIに関わりたいという思いを持っていて、松村商店のM&Aをきっかけに、本格的にこの業務を担当することになりました。

どのような流れで「守りのPMI」は進んでいくのでしょうか。
私はこれまで、MUSCAT GROUPにおいて松村商店を含めて3社のPMIに携わってきたのですが、買収した会社の業種や内実によって、何から進めるべきかが変わります。ですから、守りのPMIの最初の一歩は「『何から手を付けるか』を決めること」なんです。
松村商店の場合は、デューデリジェンスの報告書を見た時、すぐに「遠隔」でのPMIは不可能だとわかったので、直接足を運び、現場に入り込むような形で進める必要があると判断しました。その理由は、経理業務をすべて担っていた先代社長の奥様が引退される予定で、後任の方がいなかったことです。
加えて、経理周りはあまりデジタル化されておらず、手書きの帳簿で管理されているような状況でした。幸い、私には昔ながらの経理業務の経験があったので、自分が行くべきだと考えました。あわせて、一緒にPMIを推進してくれるメンバーもリファラルで採用し、チーム体制で挑むことにしました。
現場では、何から着手されたのでしょうか?
何よりもまず、社長の奥様との信頼関係を構築することですね。M&Aされることを事前に詳しく聞かされていなかったようで、最初は当然ながら警戒心をお持ちでした。そこで大切にしたのが、「統合」ではなく「共創」の姿勢です。私たちが一方的にやり方を押し付けるのではなく、「これから一緒にどうしていきましょうか」と、共に未来をつくるパートナーとしての対話を重ねました。
買収を「する側」と「される側」という関係性を超えて、人と人として向き合う。そうするうちに、次第に信頼関係ができ、徐々にプロジェクトが前に進むようになった。M&Aは結局、人の「心」が動かなければ成功しない。そのことを改めて実感したプロジェクトでした。
「最悪」を「最高」に変える——経験に裏打ちされた、PMI哲学
今江さんがPMIを進める上で、最も大切にしている信念は何ですか?
関わるすべての人々に対して、リスペクトを持つことです。
買収する側もされる側も関係なく、一つのチームとして互いを尊重すること。そして、このM&Aに関わった全員が、数年後に振り返った時に「あのM&Aがあったからこそ、今がある」と笑顔で言えるように、責任を持ってPMIを進めていく。それが私の信念です。
その信念は、ご自身の経験から生まれたものなのでしょうか。
まさしくそうです。以前勤めていた会社がライブドアに買収された時、正直に言うと「職を失うのではないか」と不安でいっぱいでした。さらにその後、ライブドア事件や、リーマンショックによる親会社の倒産までも経験しました。次々と襲いかかる試練を、当時は「最悪だ……」と思ったんです。
しかし、あの経験があったからこそ、上場企業に求められる会計基準や厳格な内部統制を学び、そして何より、どんな激動の変化にも対応できる力を身につけることができ、それが後のIPO達成や数々のPMIを担当するキャリアに繋がりました。最悪だと思った出来事が、最高の未来へのきっかけになり得ることを、私は身をもって知っています。
M&Aに関わったすべての人にとっての「最高の未来」をつくるためには、どのようなことが必要なのでしょうか。
細かなポイントはいくつもありますが、結局は一人ひとりと、とことん対話することが重要なのだと感じています。ランチに行ったり、お茶をしたりしながら、グループインした会社の方々がどんな人で、何を考えていて、将来どうなりたいのかを深く理解しようと努めます。
時には、この会社を辞めて新しい道に進むことが、その人にとっての「ハッピー」かもしれない。そう思えば、素直にその意見をぶつけることも厭いません。そんな対話の時間が、「最高の未来」の始まりなのだと思っています。
「PMI職人」としての役割を全うし、後輩たちに思いを託す
これまでさまざまな組織を経験してきた今江さんから見て、MUSCAT GROUPはどのような組織だと感じていますか。
特徴として挙げられるのは、経営陣が描く「ニッチトップ戦略」というM&Aの方針が非常に明確だということです。そして、その戦略を支えているのが、年齢や役職に関係なく全員をリスペクトするフラットな文化だと思っています。
たとえば、各部門の責任者が集う予算進捗会議では、思うような成果があげられていない部門があっても、誰もそのことを責めたり詰めたりせず、常に「じゃあ、次はどうしようか」という未来に向けた対話が交わされる。
社長や役員、すべての事業責任者のそういったスタンスがメンバーにも伝わり、互いにリスペクトし合い、過去ではなく未来を見据え続けることが、文化として定着しているように感じています。

成長環境としてはいかがでしょうか。
成長したいと本気で願う人にとっては、最高の環境だと思います。一つ結果を出せば信頼され、さらに大きなチャンスが与えられる。年齢は一切関係ありません。
MUSCAT GROUPに入社せず、前職の上場企業で経営管理部長を続ける道もありましたし、そちらの方が未来の見通しは立ったでしょう。だけど、その環境で成長し続けられたかといえば、少なくとも私はそう思わなかった。
いくつになっても成長したいと飛び込んだMUSCAT GROUPでしたが、この選択は間違っていなかったと思っています。次々と新しい役割やミッションが与えられるので、毎日が本当に刺激的ですし、半年後に自分が何をやっているかまったくわかりませんから(笑)。
MUSCAT GROUPには、若いメンバーも多いと思います。影響を受けることはありますか。
彼らの優秀さには驚かされてばかりで、学ぶことしかありません。
仕事において年齢は関係ないということを、この会社に入って改めて実感させられました。私のこれまでの経験は、才能ある若者たちが安心して思い切り挑戦できるよう、バックアップするためにあるのだと思っています。若いメンバーたちを支えることが、いまはとても楽しいですね。
今後、ご自身として挑戦していきたいことは何ですか?
会社としての大きな戦略は、信頼する経営陣に任せ、私はPMIのプロフェッショナル、いわば「PMI職人」として自分の役割を全うするだけです。個人的に挑戦したいのは、私が持つノウハウを、チームメンバーに継承すること。 単に業務を教えるのではなく、PMIを通して「キャリアの掛け算」を実現し、世の中に貢献できる人材を育てていきたいんです。
そしてその対象は、自社のメンバーに留まりません。M&A先の会社に、大きなポテンシャルを秘めたダイヤの原石のような人材がたくさんいるんです。先日も、新しくグループインした会社の経理担当者と話していて、素晴らしいポテンシャルを感じました。M&Aという大きな変化をきっかけに、その方のキャリアが花開くことをサポートしたい。
そうやって、縁あって関わるすべての方々に、「あなたの経験は、次のステージで必ず活かせるんだよ」と伝えていく。それが、いまの私にとっての最大のやりがいであり、挑戦ですね。
MUSCAT GROUPで経験を積み上げていけば、PMI職人、グループ会社の管理部長、あるいはスタートアップやベンチャー企業のCFOとして活躍できる。自分のキャリアを、自分の意思で自由に選択できる。そんな「確かな道」を、ここから創っていきたいと思っています。


Daily
Schedule
1日のスケジュール
-
10:00
松村商店に出社
月次決算業務、取締役としての決裁、来客対応
-
12:00
移動&ランチ
移動の合間にランチ。頭を切り替える大切な時間
-
13:00
かならぼに出社
PMI職人として現場へ。対話を重視した統合業務を進める
-
16:00
移動
MUSCAT GROUP 本社へ
-
17:00
社内ミーティング参加
全社視点での財務戦略ミーティング
-
18:00
デスクワーク
優先順位の高いタスクを整理・処理
-
20:00
終業


